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阿川⼤悟は都会から遠く離れた供花村（くげむら）に駐在として赴任した。娘のましろは⼩学⼆年⽣。彼⼥はある事件がきっかけで⼼を閉ざしてしまい、⼀家はましろの静養のためにこの村に移り住むことを決めたのだった。供花村は後藤家という⼀族が村の敷地のほとんどを所有し、彼らの⼭から採れる良質なヒノキで村の経済は成り⽴っていた。⼤悟の最初の仕事は⽼婆の遺体の検死だった。後藤家当主・後藤銀が⼭菜を採りに⼭へ⼊って熊に殺されたらしい。しかし、遺体の腕に⼈に噛まれたような痕があるのを⾒つけた⼤悟は、死因が別にあるのではないかと訝しがった。その夜、ましろが切断された⼈間の指を渡してきた。翌⽇、⼤規模な熊狩りが⾏われた。⼭道に不慣れで村⼈たちから遅れをとった⼤悟を、突然巨⼤な熊が襲った。間⼀髪のところで恵介の弟・洋介が熊を射殺し⼤悟は⼀命を取り⽌めた。銀を弔うために熊をその場でさばいて⾷べ始めた後藤家の⾯々を奇異な⽬で⾒つめる⼤悟だったが、さらに監察医・中村から、ましろが拾った指は亡くなった後藤銀のものではなく別の誰かのものである可能性が⾼いという連絡をもらうと、ますます不安を募らせた。

⼤悟と有希がましろの登校初⽇に付き添っていると、亡くなった後藤銀の葬列に出くわした。葬列は後藤家の⾯々だった。次期当主の後藤恵介は、葬列に並ぶ⼈間の中に失踪した前任の駐在・狩野治の娘すみれが紛れ込んでいる事に気づいた。すみれは、狩野は失踪したのではなく後藤家の⼈間に殺されたと訴えたが、誰も相⼿にしなかった。腹を⽴てたすみれは銀の遺体が⼊った樽を蹴った。転がった樽の中⾝は空っぽだった。すみれは⾔った。「銀の死体はすでに後藤家の連中の胃の中で、彼らは弔うために死者を⾷べるのだ」と。怒り狂った後藤睦夫がすみれに詰め寄ると、先頭にいた巨体の⽼⽗が睦夫を押し退けてすみれに近づいた。危険を感じた恵介は、⽼夫をすみれから引き剥がし、⼤悟に連れて去るように促した。調査の協⼒を約束してすみれと別れ、後藤家に向かった⼤悟だったが、着くと睦夫が猟銃で威嚇してきた。躊躇なく引き⾦を引こうとする睦夫をなんとかかわして取り押さえたが、再び巨体の⽼夫が現れて鎌で切りつけられ、⼤悟は気を失った。その頃、⼤悟の携帯には「例の指は狩野治さんのもので間違いありません」というメッセージが監察医・中村から届いていた。

気絶した⼤悟は、夢を⾒た。それはまだましろが⼼を閉ざす前のこと。持ち前の⾏動⼒で敏腕刑事として活躍していた⼤悟は、性犯罪者の今野翼が街に戻ってきたことを知った。ましろと翼が顔なじみだったことから、⼤悟は⼆度とましろに近づくなと忠告した。しかし翼の素性を知ってもなお嫌いになれなかったましろが、きちんとお別れを伝えるために翼のアパートを訪れてしまう。ましろと離れたくない翼も彼⼥を⼈質に取ったことから、⼤悟は彼を射殺した。ましろは⼤好きだった⻘年が頭を撃ち抜かれるところを⽬の前で⽬撃した。それ以来、彼⼥の顔からは表情が消え、⼀⾔も喋らなくなった……。うなされて⽬を覚ますと、⼤悟は病室にいた。後藤恵介は⾮礼を詫び、⼤悟を襲ったのは睦夫たち後藤家の⼈間だと認めたが、巨体の⽼夫ではない、幻でも⾒たのだろうと笑った。逃亡した睦夫が襲ってくる危険性を考慮して⼤悟は有希とましろを警察署に避難させた。そこへ監察医・中村から指のことで会いたいと連絡がきた。⼤悟は急いで中村の病院へ向かったが、とつぜん⼀台のゴミ収集⾞が現れ発砲してきた。そこにいたのは猟銃を握りしめた後藤睦夫だった。

睦夫の供述から、⼭中で⽩⾻化した狩野の遺体が⾒つかった。睦夫が何かを隠しているように思えて仕⽅なかったが、これ以上後藤家に関わらない⽅がいいと署⻑に告げられた。数ヶ⽉後、⼀家は平和な⽇々を過ごしていた。村⼈とも打ち解け、ましろにも笑顔が⾒られた。⼤悟は有希に感謝を伝え、久しぶりに明け⽅まで飲んだ。と、それを覗く者がいた。⼤悟が慌てて外に出ると、壁に「⼈殺し」と落書きが残されていた。恵介から覗いたのは後藤⿓⼆だと謝罪されたが、落書きは違うと⾔われ、村⼈を信⽤しすぎるな、狩野を追い込んだのは村⼈たちの⽅だと忠告された。そう⾔われて⼤悟にも思い当たる節があった。村⼈たちはことあるごとに⼤悟たち⼀家に介⼊してきた。落書きの⼀件からフェンスを建てることにした⼤悟だったが、「信⽤していないのか」と⼭⼝さぶに詰め寄られた。そんな時、⼤悟に⼀本の電話がきた。それはすみれから渡された、狩野が最後に話したとされる相⼿の番号だった。⼤吾は会う約束をして指定の場所に向かうと、仮⾯の男が待っていた。男は仮⾯を外した。すると、その素顔は⽬と⿐が抉れて歪な⽳が空いていた。

京介から呼び出され、指⽰された場所に向かうと宇多⽥と名乗る男がいた。彼は狩野の協⼒者だと⾔った。オカルトサイトを運営していて、仮⾯の男から供花村の⾷⼈の話を聞き調査していた。そして狩野が最後に探していたのは⼦供だと⼤悟に告げた。供花村では死産が多いことに気づいた狩野は、その事実にこの恐ろしい村の真相が隠されているのではないかと疑っていたらしい。

あらすじ準備中

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